コラム

「CLIPマーク」取得企業はなぜ「CLIPマーク」を取得しようと思ったのか?


第三者認証制度である「CLIPマーク」は、IT関連企業の間でも積極的に取得が進められることの多いものの一つです。しかし、なぜ「CLIPマーク」は、このように取得を目指す企業が多いのでしょうか。また、取得することによって企業にとってはどういったメリットがあるのでしょうか。

「CLIPマーク」取得のメリット

まず、企業が「CLIPマーク」を取得することで、どういったメリットがあるのかということについて簡単におさらいしておきましょう。「CLIPマーク」を取得することによって、企業には以下のようなメリットがあります。

  • 個人情報を適切に管理しているということを第三者機関により客観的に認証してもらえる
  • 取引先企業に個人情報の取り扱いについて信頼を高めてもらい、契約につなげる
  • 消費者に自社のイメージを高めてもらい、購買などにつなげる

では、仮に企業が「CLIPマーク」を取得していないと考えると、どうなるのでしょうか。

「CLIPマーク」を取得していないとどうなるの?

第三者機関による認定がない場合、どういったことがおこるのでしょうか。

  • 第三者認証に比べて、企業の信頼性を証明するものが十分ではない
  • 取引先や消費者に対して十分にアピールできない

この結果、企業が個人情報の取り扱いに関して、適切な運用をしているかどうかを証明できないままに情報を扱うことになり、取引先や消費者にとっては不安がのこる状態となります。
これは非常に大きな問題です。

特に、最近では悪意を持った犯罪者によるサイバー攻撃などが、以前と比べて格段に悪質化かつ巧妙化しています。それに呼応するかのように、大規模な情報漏洩やマルウェア感染などの事例が発生しています。また、最近問題になっているサイバー犯罪の中には不正送金など金融機関が関連する詐欺事例も多く報告されています。

第三者認証制度が、ビジネスの判断基準になる

このような中で、取引先企業では契約を結ぶ相手を決める際に、「CLIPマーク」のような第三者認証制度による審査と認証を受けているかどうかを判断基準にするケースもあります。特にISMSのようなものだと、筆者の経験でも官公庁などでは認証を受けていることが入札参加の条件になっているケースもあります。

こういった場合には、企業は契約を結ぶためには認証を受けることが絶対条件となります。企業によっては、取引先のこういった要請に伴って認証を取得するケースもあるでしょう。

また、同じように消費者については、「安心感」「信頼感」ということがポイントとなります。インターネット上でのなりすましや不正送金、情報漏洩などさまざまなトラブルがある中で、消費者にとっても個人情報などを安心して預けることができるかどうかということは、相手の企業を信頼できるかという点で大きなポイントとなっています。

「CLIPマーク」取得が信頼性の維持につながる

したがって、「CLIPマーク」を取得することは、既存の取引先企業にとっては企業に対する信頼性の維持につながりますし、新規の顧客に対しては企業が契約を結ぶべき信頼性を持っているかどうかの判断基準となります。当然、相手先の企業にとっては契約を結ぶ、あるいは取引をしようとする相手企業が信用に足る企業であるのかということは取引の判断材料になります。

企業間取引は、お互いの企業間の信頼の元に成立するものなので、個人情報の取り扱いについても、CLIPマークのような第三者機関による審査・認証を受けることによって企業同士が客観的な判断材料に基づいて信頼できる相手であると判断することができます。

まとめ

改めて整理すると、「CLIPマーク」を取得した企業は、審査と取得に際して以下のような意図があったのではないでしょうか。

  1. 既存の取引先の信頼をアップさせて新たな契約を結びやすくする
  2. 企業としての信用をアップさせて新規の顧客との契約に結びつける
  3. 企業のイメージをアップさせて、一般消費者対象の売り上げの向上につなげる

これを整理すると3つの意味があることがわかります。

  • 既存の取引先に対しては、今までの関係をより強化する意味で信頼性の向上のためのCLIPマークの取得を目指す。
  • 新規の取引先に対しては新たにつながりを作るにあたって、自社が個人情報などを正しく取り扱っていることを証明し、信頼に足る組織であることを示す。
  • これら企業に対しての内容と合わせて消費者に対しては企業イメージの向上と、それに伴う売り上げの向上といった内容を意図しています。

いずれにしろ営利企業である以上、経営的に利益を生み出すことが至上命題であり、不可欠です。そういった中、取引先企業に対して、そして一般消費者に対して第三者機関による客観的な審査結果に基づいて自らの信頼性をアピールするという目的で「CLIPマーク」の利用は非常に大きなメリットがあります。その意味では、「CLIPマーク」取得企業が、「CLIPマーク」を取得することを選んだ判断は正しいと言えるのではないでしょうか。